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部屋に戻ってすぐ、さっき洗ったばかりの服に着替えた。
借りた服を着たままなのが居心地が悪いから。夜用の服も買うべきかもね。
あれから時間も立っているというのに、胃がムカムカとして胸焼けも残っていた。これが具合が悪いということなのか、と身を持って体験した。酔っ払う人間の気持ちも、今よくわかった。
そしてこの苦しさのあまりに、人間の少女から貰った薬を気休めに飲んでみることにした。彼女の忠告も忘れ、薬を内服する。途端に、アルコールと薬の副作用のせいで眠気に襲われた。
ボクはベッドの上に横になる。うつろうつろと夢に手招かれ、目を瞑るといつの間にかボクは眠りへと落ちていった。
夢の中なのだろう。
歌が聞こえる。声ははっきりとは聞こえないけれど、柔らかい曲調で優しい歌声だ。
どこかで聴いたことがあるような気がする。
「テトラ…」誰かがボクの名前を呼ぶ。
振り向くと、そこには少女が立っていた。よく知っている少女。
ボクの周りを花が囲む。
ボクは少女の名前を呼び返す。
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