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ふわりと温かい感覚が身をつつみ、目の前が真っ白になる。何も見えなくなり、ボクは少女の名前を呼ぶ。
次第に頭がぼーっとしてきて、ああ、これは夢だったのだな、と思い出す。
目が覚めて、目蓋を開くと暗い部屋が見えた。闇になれているボクは暗い中でも視界がはっきりとしている。
まだ、夜なんだ。
今の夢は、一体何の夢だったのだろう。夢の中でははっきりとしていた少女の顔も、名前も全く覚えていない。霞みがかってボヤけている。
窓を見ると、赤い月が空に浮かんでいる。
可笑しな夢。ヴァンパイアであることに罪悪感なんて感じたこともないし、不都合に感じたこともない。
何でまた、あんな夢を。
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