醒めた男

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 再び枕に頭を預けて闇に沈もうとする。しかし一度はっきりさせた意識が、中々しぼもうとはしてくれなかった。直ぐに眠ることは諦めて、再び睡魔に襲われるまで待つことにする。  ――なんで起きたんだろ。  自分が何故目覚めてしまったのかを考える。寝苦しい夜ではない。軽く冷房もかけていた。携帯電話のアラームがなったのかもしれないと思い、アラーム機能を調べてみるが、午前七時と七時半に鳴る設定にしてあった。着信記録も特にない。メールも問題なかった。  もしかすると飛び起きるくらいの地震があったのかもしれない。いや、それにしたら余震があるはずだ。しかし揺れはなかった。
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