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あの日から数日。
以前と変わることがない毎日を悠紀は過ごしていた。遠藤と会話を交わしたのもあれきりである。悠紀は相変わらず仕事に励み続けていた。遠藤が言ったあの一言が悠紀の原動力となっている。一方、遠藤も相変わらずであった。
これは当たり前と言えば当たり前の話だ。悠紀も承知している。あの出来事は、悠紀にとっては特別だったとしても、遠藤もそうとは限らない。寧ろ、彼にとっては本当に何気ない出来事だったのではないかと悠紀は思う。微量の切なさを感じるが、仕方がないことであろう。
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