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「そんなのわかってる……でも……俺はあいつに……あんたになんと言われようが俺はあんたについていく!」
それでも少年は怯む様子もなく、男を訴えかけるような瞳で見つめ、体は小さく震え声さえも震えてはいるが、その潤んだ瞳には確かな決意を宿していた。
「勝手な事抜かしてんじゃねぇ!」
少年は、しっかりとその2つの瞳で男を見つめ、男は少年をまるで恐怖を植えつけるかのように睨みつけたまま、再び2人の間に流れる沈黙。
その長い沈黙を先に破ったのは、男の方だった。
「ガキのくせにいい目してやがるな、そういう目嫌いじゃねぇぜ」
「え?」
男は表情をゆるませ、沈黙を破ると共に突然そんなセリフを吐き出すが、その突然の男の言葉を少年は今イチ理解する事が出来ず、キョトンとしてしまう。
「おまえ、死ぬ覚悟はあるんだろうな?常に死と隣り合わせだ。いつ死んだっておかしくねぇ」
戸惑う少年を尻目に、男はゆるめた表情を今度は真剣な物に変え、少年を捉える2つの瞳とそのセリフで問い掛た。
「ないよ、そんなの……」
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