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そう、2人は今日初めて会ったばかりで、まだお互いに名前をしらない。
ここで改めて自己紹介と言うところか。
「牙か~なんか変な名前だな」
歩きながら既に視線を前に向けていた男は、少年の返答に少し気の抜けたような声で言い、バカにしたようなその言葉に、少年は眉間にシワを寄せ男を睨みつけた。
自分で名前を聞いておいて、そんな事を言うとは……この男の人格を疑う。
「そういう、おっさんは?」
「な!?おっさん!?」
仕返しとばかりに牙が引いトーンでそう聞くと、おっさんと言われるのが余程嫌なのか、男は顔を引きつらせながら立ち止まり、咄嗟に牙の方へと顔を向ける。
「俺はおっさんじゃねぇ!まだまだ若いっつうの!俺の名は修二、草薙修二だ」
「修二……なんか普通だな」
必死の形相で反論すると、少し自分を落ち着かせるようにして牙に名前を教える修二だが、その直後の追い討ちをかけるかのような牙の一言に、今度は顔を真っ赤にして牙を睨みつけた。
「な!?てめぇ普通だと!?てめぇだって変な名前じゃねぇか!牙って!2文字だし!」
「は!?2文字とか別に関係ないだろ!?2文字の奴なんていっぱいいるじゃねぇか!」
そして、ここから名前を発端に、大人と子供の言い争いが始まった……
なんとも大人げない……
イラストは、☆古星★さん作、草薙修二。
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