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何かが爆発したような音と軽い振動、そしてその直後に少年の体に生温い物が降り注いだ。
その大きな音に少年の体は反射的にビクッと跳ね上がり、驚きながらも恐る恐るゆっくりと目を開ける。
すると、そこには歪んだヴァンパイアの顔、そしてその胸元には大きな穴が開き血が溢れ出ていた。
「が……がぁ……ゴフっ!」
とてつもない痛み、そして胸元に開いた穴により息が出来ないのだろう、苦しそうに顔を歪めながら口から血を吐き出すヴァンパイア。
「敵の気配にも気づかねぇとはな、雑魚が!」
ふと、ヴァンパイアの背中越しに声が聞こえ、警戒しながら覗き込むようにして少年はその声のした方を見た。
その瞳に映ったのは、ヴァンパイアの後ろ、すこし離れた位置に大きな銃をもった男の姿。
その銃からは煙が上がっていた為、恐らくその銃で打ち抜いたのだろう。
見るからに破壊力がありそうなゴツゴツした銃で、光に反射して銀色に輝いている。
恐らく、普通の人間なら一発で体が吹き飛ぶ程の脅威的な破壊力だ。
なんせ、あの強靭な肉体を持つヴァンパイアの体に穴を開けたのだから。
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