第十一章 ~覚醒~

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あとは俺に任せるって意味だろうな…。 俺はそう思って、魔方陣を展開したまま、美作の方を向いた。 「おい美作…地団駄を踏むのはいいが、敵の様子を見ていないのは愚行じゃないか?」 俺が美作にそう言ったら、美作はハッとして俺の方を見た。 「なっ!?なにそれ!?」 美作はかなり驚いたらしく、俺を指差しながらそう言った。 「お前を仕留めるための準備だよ」 俺はそう言って、双銃を両方とも美作に向けた。 「さて…そろそろ幕引きにしようぜ」 俺はそう言って、引き金を引く指に少し力を込めた。 「ふざけるなよ…僕はこんな所で失敗するわけにはいかないんだよ…」 美作は一度俯いてそう言った。 「失敗は許されない…絶対に成功させなきゃいけないんだ…」 美作はブツブツとそう言っていたと思ったら、突然顔を上げた。 「君なんかに負けるわけにはいかないんだよ!」 美作はそう言って、弾が当たらないようにジグザグに走って狙いを定めにくくしつつ、一気に俺に接近しようとしてきた。 「くそっ…これじゃあ狙えねぇな…!」 俺はその場を動かないで、なんとか美作に照準を合わせようとした。 だが美作の動きがかなり素早いせいで照準が合わず、もし照準が合っても素早い動きで照準から外れてしまっている。 くそっ、どうやって照準を合わせればいいんだ…!? 俺はその事を必死に考えたら、一つの結論が出た。 多少危険だし失敗する可能性は高いけど、これしかないよな…。 俺はそう思い、美作が接近してくるのを待った。 「死ねぇぇぇ!」 俺が美作を待っていたら、美作は自分の攻撃範囲に入ったと同時に、今までで一番鋭い突き放ってきた。 「行けぇぇぇぇ!」 そしてそれと同時に、俺は引き金を引く指に力を込めた。
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