第十一章 ~覚醒~

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「ディバインバスター!!」 俺はルナに教えてもらった必殺技…ディバインバスターと叫び、引き金を引いた。 俺が撃った弾は美作の突きが届くよりも圧倒的に早く発射された。 そして弾は超広範囲を撃ち抜くレーザー状の弾となり、美作に当たるだけでなく、一瞬でその直線上にある地面や岩、木々などの物質を全て消し飛ばしてしまうほどの威力と速度で飛んで行った。 「はぁっ…はぁっ…」 幹が消し飛ばされてしまったせいで倒れて行く木々を見つつ、俺は魔力を限界まで使った事による疲労と、痛みが激しくなってきたせいで地面に膝をついた。 「終わった…みたいだな……」 俺はそう呟いて、その場に倒れ込んだ。 「快翔っ!」 そしたら玲奈が走って近寄ってきた。 「ちょっと…大丈夫!?」 「なんとかな…だけど美作はギリギリで逃がしちまった…」 そう…美作は確かにディバインバスターに直撃したはずなのだが、転移魔術か何かでギリギリで逃げられてしまったのだ。 「そんなのどうでもいいわよ!とにかく早く回復しないと…!」 どうやら大分傷が戻ってきたらしく、玲奈は慌てながらそう言った。 「チェッ…そろそろ限界か…」 俺は痛みに耐えながら、そう呟いた。 どうやら薬はもう切れる寸前らしく、一番デカい傷……美作に刺された時の傷が徐々に現われてきた。 「玲奈…俺のこと……死なせるなよ…」 俺はそう言って、玲奈に微笑みかけた。 「当たり前よ…!絶対に死なせはしないわよ!」 「…なら…安心だな…」 俺はそう言って安心して、目を閉じた。 そして完全に薬が切れ、俺の傷は完全に戻り、身体から血が流れ出ていく感覚が戻ってきた。 そして俺の意識は再び暗闇に落ちてしまった…。
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