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「ごめんな快翔…またしばらく出掛けるからな…」
「行ってらっしゃいパパ!ずっと待ってるからね!」
深い闇の中で、俺は突然大人の男と、その男の子どもらしき男の子の会話が聞こえてきた。
俺は気になって目を開けてみたら、俺は一軒の家の前に立っていた。
ってか此所ってたぶん俺の家だよな…?
そう…今俺は、自分の家の前に立っているんだ。
って事は、今俺の目の前にいる男と男の子は、俺の父さんと俺なのか…?
…間違いなくあれは俺と俺の父さんだな…。
この光景には見覚えがある…確かこれは八年くらい前で、父さんが出張に行くとかそういう理由で出て行った時だったかな…。
「そうだ…快翔にこれをあげとくよ」
俺が物思いに耽っていたら父さんがそう言って、子どもの時の俺に一つの箱を渡した。
「これなーに?」
「今は秘密だよ…あとで部屋に戻ったら見てみなさい…」
「んー…分かった!」
子どもの時の俺は元気にそう言った、ニパッと笑った。
「じゃあ行って来るよ…」
「うんっ!行ってらっしゃい!」
そして俺の父さんは何処かへ行ってしまい、子どもの時の俺はすぐに部屋に戻って箱を開けた。
この時箱に入ってたのが、俺が今持っているブレスレットとネックレスだったんだよな…。
そして子どもの時の俺は喜んで、帰ってきたらちゃんとお礼をしようと思ってたんだよな…。
だけど父さんはその後帰って来なくて、お礼は一言も言えなかったんだよな…。
そんな事を思っていたら、子どもの時の俺は寝てしまった。
そして此所で夢は終わりらしく、俺の意識は再び暗闇に落ちた…。
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