第十一章+α ~貰い物~

2/2
前へ
/402ページ
次へ
「ごめんな快翔…またしばらく出掛けるからな…」 「行ってらっしゃいパパ!ずっと待ってるからね!」 深い闇の中で、俺は突然大人の男と、その男の子どもらしき男の子の会話が聞こえてきた。 俺は気になって目を開けてみたら、俺は一軒の家の前に立っていた。 ってか此所ってたぶん俺の家だよな…? そう…今俺は、自分の家の前に立っているんだ。 って事は、今俺の目の前にいる男と男の子は、俺の父さんと俺なのか…? …間違いなくあれは俺と俺の父さんだな…。 この光景には見覚えがある…確かこれは八年くらい前で、父さんが出張に行くとかそういう理由で出て行った時だったかな…。 「そうだ…快翔にこれをあげとくよ」 俺が物思いに耽っていたら父さんがそう言って、子どもの時の俺に一つの箱を渡した。 「これなーに?」 「今は秘密だよ…あとで部屋に戻ったら見てみなさい…」 「んー…分かった!」 子どもの時の俺は元気にそう言った、ニパッと笑った。 「じゃあ行って来るよ…」 「うんっ!行ってらっしゃい!」 そして俺の父さんは何処かへ行ってしまい、子どもの時の俺はすぐに部屋に戻って箱を開けた。 この時箱に入ってたのが、俺が今持っているブレスレットとネックレスだったんだよな…。 そして子どもの時の俺は喜んで、帰ってきたらちゃんとお礼をしようと思ってたんだよな…。 だけど父さんはその後帰って来なくて、お礼は一言も言えなかったんだよな…。 そんな事を思っていたら、子どもの時の俺は寝てしまった。 そして此所で夢は終わりらしく、俺の意識は再び暗闇に落ちた…。
/402ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43972人が本棚に入れています
本棚に追加