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「なぁ…玲奈は何処にいるんだ?」
そう…条威と御貴、朱姫と羽柴はいるのに、玲奈だけはいないのだ。
「あれ?確かさっきまではいたはずなのに…」
「どこに行ったんだろ…?」
どうやらさっきまでは玲奈はいたらしく、御貴と羽柴は回りをキョロキョロと見回した。
「…どうせ恥ずかしくて出てこれないだけだろう」
条威はそう言って、扉の外を見た。
「それもそうですね…ずっと心配してましたし」
「そうだよね…快翔君が此所に運ばれてくる時なんか泣いてたもんね」
「それに唯一毎日毎日様子を見にきてたし」
「全員でお前の見舞いにきた時も、一番最後まで残ってたしな」
条威達は口々にそう言って、俺が寝込んでいた時の玲奈の様子を教えてくれた。
「そっか…まぁ心配していてくれたのなら、十分嬉しいよ」
俺はそう言って、軽く苦笑した。
「そうか…ならば無理矢理出てこさせるのは止めておこう」
「そうだね…面白くなりそうだったのにな」
どうやら条威達は玲奈を俺の前に引きずり出すつもりだったらしく、そう言って玲奈を引きずり出すのを止めた。
「そういえば、体調はどうですか?」
朱姫は苦笑して話を変え、俺にそう聞いてきた。
「んー…まぁまだ激しい動きは無理だろうけど、十分に身体は動かせるよ」
俺は軽く腕や脚を動かしつつ、そう言った。
「魔力を限界まで消費していたからな…一週間寝ていたとはいえ、まだ疲労が残っていただろうから、まだ無理はするな」
条威はそう言って、俺の身を案じてくれた。
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