第十二章 ~正体~

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「覚醒者の変化に気付けるのは覚醒者だけだからな…見たらお前がいつもと違うのがすぐに分かった」 「へぇ、そうなんだ……ってえぇっ!?」 俺は最初は納得して頷いたが、すぐに一つの事に気付いてしまい、思わず驚いて叫んでしまった。 もし条威の言う通りなら、まさか条威もその覚醒者ってことになるよな…? とりあえずまだ分からないから、聞いてみないとな…。 「あのさ…っていう事は、条威はまさか覚醒者なのか?」 俺は疑問に思った事を条威に聞いてみたら、条威はゆっくりと口を開いた。 「あぁ……俺もお前と同じ覚醒者だ…お前とは違うタイプだがな」 「違うタイプって…どういう意味だ?」 「つまり、お前とは覚醒した力の種類が違うって事だ」 条威はそう言って、俺に説明してくれた。 「んじゃ一応聞くけど、条威はどんな力を得たんだ?」 「…俺はお前とは違って、何体もの精霊の力を得たのではなく、ただ一つの力を得た」 条威はそう言って、さらに話を続ける。 「俺が得た力…それは無属性の力だ」 条威はそう言って教えてくれたけど、俺には言っている意味がよく分からなかった。 無属性の力ってなんなんだ…? 「無属性は全てを無にする力…全てを統べるが、全てに染まることが出来る力だ」 条威は俺がよく分かっていないことに気付いたらしく、そう説明してくれた。 だがそう説明されても分からないことが多かった。 だが同時に、分かったこともあった。
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