第十二章 ~正体~

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「さて、あまり長居するのは良くないからな……そろそろ俺も帰るとしよう」 条威はそう言って、椅子から立ち上がった。 「あぁ…今日はありがとうな」 「どう致しまして…じゃあな」 条威はそう言って、部屋の扉を開けた。 「っと…一つ言い忘れてた」 条威は立ち止まって、そう言って振り向いた。 「これから先は、今回以上に厳しい戦いが何度も起きるかもしれない……言わなくても分かってるかもしれないが、一応覚悟をしておけ」 条威は真面目な顔をして、俺にそう言ってきた。 「やっぱり、また美作みたいな奴等が襲ってくるのか?」 「あぁ…しかもあんな雑魚レベルの奴じゃなく、一段階も二段階もレベルが高い奴等が襲ってくるだろうな」 条威は俺の問い掛けに対して、冷静にそう返した。 つーか美作レベルで雑魚かよ…確かに覚醒してからは、俺が優勢になったけど…。 もし条威の言う通りになったら、大分ヤバそうだな…。 「言いたい事はそれだけだ……じゃあな」 条威はそう言って部屋から出て、扉を閉めた。 残された俺は、一人で条威の言葉について考え込んだ。 これからは今まで以上に厳しい戦いになるのか……今の俺で大丈夫かな…? いや、こんな弱気じゃ駄目だよな……俺は精霊達に、皆を守るための力が欲しいって言っちゃったから、ちゃんと守らないとな…。 そのためにも、これからは力をちゃんと扱えるようにちゃんと訓練をして、強くならないとな…。 俺は日が暮れていく中、一人でそう決意した…。
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