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日が暮れて、病室みたいな部屋の中で夕食を食べ終わり、俺は部屋の中でぼーっとしてた。
そして俺はぼーっとしながら、考えごとをしていた。
まぁ考えごとって言っても、ただ夕食が足りないせいで腹が減ったから、どうにかして部屋から抜け出して、何か食いに行きたいって思ってるだけなんだけどな。
「腹減ったぁ……」
俺は腹の減り過ぎのあまり、そう口に出した。
ーガチャッ!
そんな事を思っていたら、急に扉が開くような音がした。
だが扉は開いているが、ドアノブを掴んでいる手と腕しか見えず、姿は見えなかった。
だがたったそれだけの動作で、扉を開けたのは誰だか俺は分かった。
「…おい玲奈……恥ずかしがってないで、部屋に入るなら入りな」
「う、うるさい!別に恥ずかしがってなんかないわよ!」
扉を開けた人物…それはやっぱり玲奈だった。
玲奈はそう言って、部屋の中に入ってきた。
「それで、こんな時間に何の用だ?」
「…これ…渡しに来たのよ」
玲奈は少し顔を赤くしながら、何か包みらしき物を渡してきた。
「…なんだこれ?」
俺はそう言って、包みを開いてみた。
そしたら包みの中には、四個のおにぎりが入っていた。
「玲奈…これってまさか…」
「か、勘違いしないでよね!?あ、アタシが食べるつもりだったんだけど、お腹空いてないからアンタにあげるだけだからね!」
玲奈はそう言って、明らかに嘘なのが分かるようなことを言った。
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