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ったく…やっぱり素直じゃないな…。
俺は苦笑しながらそう思い、おにぎりを一つ手に持った。
「んじゃ一つ食わせてもらうな?」
「ふん…しっかりと味わいなさいよ」
俺は玲奈にそう言われて、おにぎりを一口食べてみた。
「…まぁおにぎりだから、やっぱり美味いな」
「…なんか褒められてる気がしないわね」
俺がそう言ったら、玲奈は不満そうに言い返した。
「安心しろって…ちゃんと褒めてるよ」
俺はそう言って、おにぎりを持っていない方の手で、玲奈の頭を撫でた。
「ちょっ…何してんのよ!?」
玲奈は顔を真っ赤にしながらそう言ったが、俺の手を振り払おうとはしない。
「駄目なのか…?」
「駄目っていうか…その……」
俺がそう聞いたら、玲奈はモゴモゴとそう言って、はっきりとは答えなかった。
「…別に…勝手にしなさいよ」
玲奈はしばらく葛藤した後、顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうにそう言った。
「それに…助けてもらったお礼もまだしてないし…」
玲奈はどうやらまだ助けられた事を気にしているらしく、そう言った。
「あれは俺が皆を守るって決めたから、勝手に守ったんだよ……だから気にするな」
「でも、やっぱり何かお礼はしないといけないし…」
俺はそう言って、玲奈に気にさせないようにしようとしたが、玲奈はやっぱり気にしているらしく、そう言い返してきた。
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