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勇はキョロキョロとしているが、一向に“じーちゃん”が見つからない。
愛『えぇ?じーちゃんが審判?』
勇「ダメなの?」
愛『だって…じーちゃん、数かぞえるの遅い…。寝技とかしたとき遅くて遅くて…。恥ずかしいし。』
勇「じーちゃん、自分で数かぞえるもんな。時計持てばいいのに。けど俺にとっては幸せな状態だけど。胸とか顔にギューって押し付けられて」
愛『…!!だから寝技のときギリギリまで抵抗しないのっ!?;』
勇「ったりまえだろ?お前の寝技なんて1秒で外せるし。」
愛『……っ;』
勇「…けどさぁ…お前、胸なぃ……」
がすッ
勇の横腹に愛の回し蹴りが入る。
勇「…ぐぇっ;」
愛『胸なくないもんッ!これでもBはあるッ!!』
勇「そういうことを大声で言える君は大物だよ…」
愛『!;』
口ごもり、顔を赤くする愛。
勇「あはは、面白。あっ、じーちゃん発見。じーちゃーん。審判頼むー」
トイレに行ってたらしく、“じーちゃん”は手をピッピッと、はらっている。
じーちゃん「おお、お前等、今日も来たんかぁ。」
じーちゃんとは…
矢島 則蔵【ヤシマ ノリゾウ】
愛の じーちゃんである。
この道場で幅広い稽古をしている。
勇「今からやるから審判して―」
じーちゃん「まかせろ!おーい!小学生!集まれ!愛と勇の勝負が始まるぞ!見とかな損々!!」
そう じーちゃんが呼びかけると、さっきまで、ワァワァと稽古をしていた小学生が集まってくる…。
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