●日常●

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        ――がちゃ。         着替えを終えて、勇は更衣室から出てきた。       出てすぐに、道場を軽く見回すと、はじっこで愛が子供に囲まれている。         愛『突きってのは、力を入れちゃダメだよ。力んじゃうと勢いが無くなっちゃうから。』       『どーして?』       愛『ん―。…分かんない。 とにかく手ぇ、ギューッて握ったらダメ。 軽く緩く握るの。そうすれば、早い突きが出せるよ。』       『がんばる~!』         子供たちは張り切って、突きを練習し始めた。       愛『あ、ほら。りかちゃん。 そんな力んじゃダメだって。』       子供の横に座り、小さい手を包む 愛。       その顔には優しげな微笑み。           勇「……俺にもあんな微笑みを向けてくれ。」         ポツリと呟く。           愛『そ―!うまいうまい!!』       『きゃーぃ♪やったぁ!愛ちゃんに褒められちゃった!』     『いいなぁ…』       愛の笑顔を後目に、ケータイをパカッと開き、着信を見る。       勇「……帰ろ。」         首の後ろに手を当て、ふぅっとため息をつきながら靴を履きに玄関へ。          愛『勇!』      後ろから愛の声。       勇は後ろに振り返った。       愛『気をつけてね。また明日。』       笑顔ではないが、しっかり見送りで手を振ってくれてる。         勇「……おう。じゃあな。」         靴を履き、愛に小さく笑みを向け、玄関を出た。                 帰り道。             勇「…ああいう所は本当、イイよな…」       独り言を呟きながら、すぐそこにある自分の家に到着。         これが、あまり変わらない愛らぶ勇コンビの日常。  
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