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せっかく会ったんだから、ということで、愛は大輝と登校していた。
愛『なんだ、まだ10分もあるじゃん』
ケータイの画面を見ながら愛が言うと、大輝は「早とちりでした」と笑った。
大輝の目は、笑うと猫の目みたいに細くなる。
愛『…なんか大輝君って猫みたいだね』
大輝「え?」
意外そうに顔をあげ、愛を見つめた。
愛『いや、その…人懐っこくて、笑うと猫みたいに目が細くなるから…』
決して悪い意味じゃないと手を左右させながら言う。
大輝「……実はよく言われるんすよね…。」
指で頬をかく大輝。
愛『よく言われるって…“猫”?』
コクリと頷いた。
大輝「なんか猫に似てるーって可愛がられちゃうんすよ。とくに女子たちに…。俺も一応男だ!て言いたいけど、なんか人見知りしない性格のせいで、たくさんそういう人を引き寄せちゃうんすよねぇ」
愛『なるほど。確かに大輝君、男っぽい反面カワイイもんね』
愛が笑いかけると、困ったように、また指で頬をかいた。
愛『…それ、癖だね』
愛が笑いながら、大輝を指差す。
大輝「?、なにがですか?」
愛『あ、自覚なし?その頬カリカリするの』
言った途端、大輝は頬から手を離し、自分の手を見つめる。
大輝「癖…っすね。確かに。意識してなかったです」
へらっと笑いを向けてくる。
愛『あはは、やっぱり』
大輝「言われたの初めてっすよ。」
また2人で「あはは」と笑い合う。
そんなとき…
『あれ?愛らぶ勇コンビ…じゃない?』
そんな声が聞こえる。
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