●彼女●

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      せっかく会ったんだから、ということで、愛は大輝と登校していた。           愛『なんだ、まだ10分もあるじゃん』         ケータイの画面を見ながら愛が言うと、大輝は「早とちりでした」と笑った。       大輝の目は、笑うと猫の目みたいに細くなる。     愛『…なんか大輝君って猫みたいだね』     大輝「え?」       意外そうに顔をあげ、愛を見つめた。       愛『いや、その…人懐っこくて、笑うと猫みたいに目が細くなるから…』       決して悪い意味じゃないと手を左右させながら言う。       大輝「……実はよく言われるんすよね…。」     指で頬をかく大輝。       愛『よく言われるって…“猫”?』       コクリと頷いた。     大輝「なんか猫に似てるーって可愛がられちゃうんすよ。とくに女子たちに…。俺も一応男だ!て言いたいけど、なんか人見知りしない性格のせいで、たくさんそういう人を引き寄せちゃうんすよねぇ」     愛『なるほど。確かに大輝君、男っぽい反面カワイイもんね』       愛が笑いかけると、困ったように、また指で頬をかいた。         愛『…それ、癖だね』       愛が笑いながら、大輝を指差す。      大輝「?、なにがですか?」       愛『あ、自覚なし?その頬カリカリするの』       言った途端、大輝は頬から手を離し、自分の手を見つめる。       大輝「癖…っすね。確かに。意識してなかったです」       へらっと笑いを向けてくる。       愛『あはは、やっぱり』     大輝「言われたの初めてっすよ。」     また2人で「あはは」と笑い合う。       そんなとき…           『あれ?愛らぶ勇コンビ…じゃない?』       そんな声が聞こえる。  
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