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「オレ……忘れてたのに、兄貴はちゃんと覚えててくれたんだね……」
「当たり前じゃないか。俺が愛する拓海の誕生日を忘れるなんて、そんなのありえないだろ?」
耳元で笑う兄貴は、そう言うとオレを抱きしめ直して、
「本当は0時ジャストに拓海をお祝いしようと思ったんだけど……拓海がぐっすり眠ってると思ったら、起こせなくて」
珍しい……!兄貴がオレに気を遣うなんて……。
普段の兄貴だったら『たっくみくぅ~ん!!』とかなんとか言って、夜中でも部屋に侵入してくるのに。
それは、オレが誕生日だからなのかな……?
「……そっか」
ちょっぴり、残念だった。
こういう時だからこそ、1番に来て祝って欲しかったのに──。
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