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「拓海?」
兄貴が不安そうにオレの名前を呼ぶ。
「へっ?あっ、何?」
「いや……なんか声が残念そうで……あ、もっ、もしかしたらお兄ちゃんの幻聴かもしれないな!そんなオイシイ話あるわけ……」
「幻聴じゃないよ」
オレははっきり言った。
「え……?」
「別に、今日くらいなら来てくれてもよかったのに」
「拓海……」
「でも……」
「え?」
「兄貴がオレのためにそういう行動をしようとしてくれてたのと、オレの誕生日を覚えててくれてたから……それでいいよ」
「……拓海……!!」
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