68人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
何気なく…
高校三年生の夏のこと…。
私は陸上部だった。毎日暑い中、ただひたすら走るという過酷な練習をこなしていた。
最後の大会に向けて…。
練習が終わり部員とたわいもない会話をしていた時、ちょうどTVドラマで話題になっていた乳癌の話になった。
「こうやって手をあげて胸を触るとしこりがあるかどうか分かるんだってぇ。」
と、片手づつ手を真っすぐに挙げ、反対の手で自分の胸を触ってみる。
興味本位でやっていた。
「あるわけ無いよねぇ~。」
笑いながら私も同じように触ってみた。
右…。何もない。
左…。?……。何か触る…。冗談のつもりでやってた触診で、私は自分の左胸にしこりがあることを発見した。
最初のコメントを投稿しよう!