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ギリシャ神話最大の怪物と言えば、これから紹介するテュポンにおいて他ならない。
数々の神々や英雄を苦しめた怪物達も、元をただせばテュポンが産み落とした子供たちなのだ。
この怪物は非常に巨大で、その大蛇のような身体には、かたから100ものドラゴンが生えている。
テュポンが一度暴れれば、その恐るべき力ですべてを破壊し、神々さえ逃げまとったという。
その名が今日の「台風」の語源となったことを考えると、大きさ、すさまじさ破壊力を想像できるだろう。
この怪物の父親は、ハデスの住む冥界よりも深い地中に住む闇の神タンタロスである。彼は天空よりもさらに上層を支配するエーテルと大地の女神ガイアの子だが、タンタロスは母であるガイアとの間に、テュポンを生ませたのだ。
大地と暗黒が生み出す破壊。それこそがテュポンであり、それは人々に恵みをもたらすと同時に破壊をももたらす大地の巨大な力の暗黒面である。
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