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広間に残った三人は秀吉に先導され茶室に移った。
秀吉「さてさて、先日、堺の商人の今井宗久から買ったものなんじゃが…」
官兵衛「殿下、失礼ながら申し上げます。回りくどい話より単刀直入に言ってく出され。皆なぜ呼ばれたかわかっております。一人を除いてですが。」
というとチラッと正則を見た。
どうやら本気で家宝の剣を見に来たようだ。正則は頭を傾げている。
正則「官兵衛殿、どう言うことですか?」
半兵衛「殿下は我らに内密の策を打ち明けようとしているのですよ。」
秀吉「二人には勝てんのう。わかった隠し事なしで申そう。此度の戦は堺を制圧するだけにあらず。三好の居城岸和田を攻略し、河内和泉を手に入れる。正則、そちを三陣に置いたのは、岸和田攻めの先鋒になってもらう為じゃ。」
その言葉を聞くと、正則の顔に笑みが浮かんだ。秀吉「筒井は我らに尻尾を振っておるのか、援軍を快く承諾してくれた。さらに孫市も此度は参加してくれるようじゃ。」
半兵衛「それだけではありませんね、殿下。堺のような自治都市をそれだけで治めることは例え殿下とて不可能に御座いましょう。」
秀吉「よう気がついた、半。そこで儂は利休を通じ商人共に協力を要請した。もはや撤退中の三好に帰る家はない。よし、話すべき事は全て話した。各々持ち場へ赴き、支度せよ。」
秀吉の号令で三人は茶室をあとにした。
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