249人が本棚に入れています
本棚に追加
丹波衆は馬蹄にかけられる者や槍で一突きに殺された者、飛来した矢によって命を落とした者が相次いだためずるずると後退しだした。
村重「もうよい、敵が体勢を立て直す前に退くぞ。」
賢明な判断だったが、この機会をうかがって密かに行動していた一隊がいた。
三成「撃て!!」
秀長の後詰である石田隊は秀長の命で密かに横腹を突こうとしていた。
200挺の鉄砲が騎馬隊を襲い、足軽隊は舞兵庫に率いられて弓隊を急襲した。さらに、さほど被害がでていない丹波衆の荒木氏綱が総攻撃を仕掛け、暫くして同じく丹波衆の赤井直政も体勢を立て直し攻撃に参加した。
村重隊は散々に駆逐され、殿の任を忘れ逃げ去る兵士が後を絶たなくなった。唯一旗本の100名が周りにいる程度である。
村重「方円になり槍衾を敷け。少しでも時を稼ぐのじゃ!」
旗本衆は命令通りに従ったが、一人また一人と命を落としてゆく。
村重「最早これまでか。」
村重は陣太刀で首を切ろうとしたが、何者かに邪魔された。
村重「貴様何者だ!武士の面目を潰しおって。」
兵庫「拙者石田三成が臣、舞兵庫助と申す。羽柴軍総大将羽柴秀吉様の命により貴公を捕縛いたす。」
村重「ふざけるな!」
そう叫ぶと村重は舞兵庫に襲いかかったが、兵庫は持っている槍の石突きで村重の腹を叩いた。
村重は苦痛のあまり地に倒れ、縄をかけられた。
最初のコメントを投稿しよう!