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叶「…ミチル、か………高原叶だから。」
満「おう!まぁ兄貴が独りになりたい時は俺叶のとこ行くわ」
叶「やめろ気持ち悪い。」
満「えー(笑)」
満は唇を尖らせてブーブーと文句を言うが叶は右から左へ聞き流し。
照明が完全に消えて中央ステージにライトか集まる。その中には白い髭をクリンクリンに巻いたジェントルマン…理事長がいた。深紅のタキシードを纏い薔薇の花を一輪持ち、両手を広げて叶達に話し掛ける。
叶「なんつぅじぃさんだ………」
理事長「新入生の諸君、ようこそ、聖マリフルアス学院へ!此処は君達の楽園であり、次の未来への橋だ。自由に、甘美な生活を送りたまえ。そして…元老院も今年増えた。今から名前を呼ばれた者、起立したまえ。」
叶「たまえって…………mellifluous……甘美な学院、か…」
目立ち過ぎる理事長の言葉により、叶の呟きは満にも聞こえなかった。
理事長は紙を広げて文字を目で追いながら深呼吸をして
理事長「新しい元老院……日暮 七海!」
呼ばれた生徒は慌てて席を立った。一つのライトがその生徒を当てる。
叶は関係ない、と思っていた。頬杖をついて欠伸をし眠そうに瞼を閉じる。
「同じく、金城 立、飯垣 満、守屋 竜喜、麻生 霞!」
満と竜喜、別クラスの生徒が席を立つ。三人にもライトが当たり、そして扉に寄りかかり立っている立にもライトは当たる。
満「兄貴いつの間に……」
理事長「同じく、比羅坂 剣、刄、刀!」
三つ子であろう、似た顔を持つ生徒三人が席を立つ。
理事長「そして最後に………高原 叶!」
叶「…あ?」
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