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叶は瞼を開けて相変わらず眠そうに、しかし無表情で席を立ち、ライトに照らされると眉間に皺を寄せて
叶「…あり得ず…照明暑いし。」
満「叶さんもかぁ…良かった良かった!俺ちょっと心配だったから。」
叶「何が。」
満「元老院になっちゃって叶さんに会えなくなるとか寂しいッスよ!」
叶「言ってろ。」
理事長「今年は今迄で一番元老院が多くなる。だがそれほど、この学院は豊かである証拠でもある。これから三年間、楽しく過ごして欲しい。ではこれにて閉会!」
ライトは全て消えて、生徒一同は講堂から出て行き、各教室に戻った。
教室に戻るなり、放送が入った、【元老院達は至急特別室に来るように。】と。
誰とも会話をする暇も無く、立と満は二人で先に行き、竜喜も校舎の地図を片手に一人で向かう。叶は……ゆっくり歩きながら気儘、マイペースに特別室を探していた。
叶「広い校舎だなぁ…一学年だけの校舎でこれはないだろ………ハァ……」
廊下を曲がり階段を降りる途中足を止めて壁に寄りかかり溜め息を吐いてしまい
叶「行きたくないなぁ…私はどうすればいいっての。」
ブツブツと愚痴るところに、背後から可愛い声が聞こえてきた。
男「あ…高原、さん、ですよね…?僕も特別室に、行く、ところです。一緒に、行きません、か?」
舌足らずなおっとりした喋り方をする男性に目を向けると、絵本の世界にいるような可愛い男の子がニコニコと笑いながら叶に話し掛けてきた。
叶「…あんたは?」
男「あ、はいぃ、僕は日暮 七海、です。今日から、元老院、なんです。」
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