支配人、そして元老院の始めの仕事

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七海が扉を開けると、長い廊下があった。 相変わらず手を繋いだまま、二人はその廊下を歩く。 そして、また一つの扉を開けると、そこは真っ白い壁と真っ白い椅子、そしてテーブル…白以外の存在のない世界だった。白以外と言えば、元老院の者達。一学年以外にもいて、その多さに叶は思わず人差し指で彼等を指して数を数えてしまった。その様子を見た七海に手を少し強く握られて、我に返り額に手を当てて溜め息。二人で空いている席に座ると隣の席の男が話をしてきた。 男「お、お、おおお遅かったですね……しかも手を繋いで来るなんて…まさか、BLですか!?」 上擦った声で呼吸を乱しながら尋ねる隣人に心底嫌そうな表情をしてしまうが首を横に振り言葉無く答えると隣人は、あ…と焦って呟いた。 男「すすすすすすすみません!ぼぼぼぼ僕ちょっとヲタクで…」 ヲタク。 叶は気にしない。 むしろ普通の人間よりも一種まともだ。 叶は改めてその男を横目で見ると、ヲタクとは程遠い程美しく、大人の女…大和撫子の雰囲気を持っていた。
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