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階段を登って三階、一学年校舎にて、叶のこれからの生活を送る教室へと向かう。
1-B
扉を開けようと手を伸ばすが扉は勝手に開き、中から人が二人出てきた。
勿論、そのうちの一人と肩がぶつかるが叶はなんの反応も示さずぶつかった肩を軽く叩き
「…失礼。」
それだけ言って教室に足を踏み入れると背後から肩を思い切り掴まれてしまい、渋々振り返ってその男を睨んだ。
その男は叶よりも背は高く、整った顔をしている。だが眉間に皺を寄せて酷い形相だからか叶はこの男を好まない。
男「テメェ、誰に向かってその言葉言ってンだよ……俺はな、このクラスの支配人なんだ。さぁ、テメェ、何様のつもりなんだ?あ?」
そう、この学校にはこんな制度があった。
各クラス、一番強い者がそのクラスを取り締まる支配人。学級委員とはまた違い、そのクラスのイメージや権力を担う…
学生証に書いてあった制度、早速決ったみたいだが、この制度、支配人より強い者が出たら強制的に支配人は変わる。
叶「………人様?………あぁ、よそ様?」
支配人と名乗る男の質問に腕を組み少し考えてから淡々と答えると静寂
瞬間、ドッとクラスから笑い声が溢れ響いた。
『ひ、人様だって!!すげぇ普通に答えやがった!!』
『やべぇ、アイツ笑える!支配人さっそく交代かもな!』
クラスの話題の中心と早速なった叶。
馬鹿にされて更に血が昇る男。
男「テメェ……絶対許さねぇ!!!」
拳を握り叶に向かって投げられた拳に、叶は相変わらずの表情、そして…………
それを右手でしっかり受け止め、持っていた鞄を男に投げつけて………
角が上手い具合に男の鼻に当たり、そのショックで男は倒れた。
倒れてから5秒、支配人は交代された。
高原 叶に。
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