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あっという間に時間は流れて、気付けば叶は講堂にいた。円形のステージを囲む様に竜巻状に席は並んでいる。一年生は三階席。
少し暗いホールを映画館に設置させているような椅子に座ってから見渡してみた。
倒れた男が居ない…あ、確かサボったとかなんとかで…………
仮にもこの学校で初めて会話した生徒。若干、本当に若干は気にしてはいた。
倒れたまま放置していたから。
人差し指を下唇に当ててぼぅっと考えていると隣の席の生徒が声を掛けて来た。
男「ね、あんた、さっき兄貴をぶっ倒した奴だよな?」
叶「…兄貴?倒した?」
男「ほら、教室扉すれ違いにさ。俺、兄貴のずっと隣に居たんだけど。」
叶「………ごめん、あいつ誰?そして君も誰?」
男「ダハー!!!自己紹介してないからそりゃそーだ!!!!!流石兄貴を倒した奴だ!!!!駄目!!!俺耐えられない!!!」
男の笑い声はホールに響き、先生に怒られたのは言うまでもない…
男「と、とりあえず改めて、俺は金城組にいるんだけど、ボディーガードも兼ねて入学した飯垣 満で、あんたが倒した人は金城 立ってーの。」
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