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「ヒサシ君。今日もカオリの付き添いありがとう」
「いえ、そんな…」
カオリの父さんはすごく優しかった。母さんしか知らない俺には、父さんってどんな人か良くわからなかった。
「ヒサシ君ちょっといいかな。話をしたい」
カオリのお義父さんの突然の申し出だった。
「こうやって話すのは、始めてだね」
「あ、はい」
病院のベンチ。俺は缶コーヒーをお義父さんは煙草を吸っていた。
「カオリが子供ができたと言った時はすごく驚いたよ。でも、すごく嬉しかった」
お義父さんはにこやかの表情で言った。
「言ってくれた時、昔の頃をつい思いだしてしまったよ。まるで、昔の私達のようで…。言ってくれて嬉しかったよ。ありがとう」
「とんでもない。礼を言われるようなことしてません」
完全に思ってたことと違うリアクションにびっくりした。
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