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「え…どうしてって…」
「理由だよ。理由」
さも当たり前のように言いはなつミコト。
「えーと…言わなきゃダメですか?」
「言わなきゃダメです。決まりですから。と言うか言わなきゃ売らないし」
ヒサシさんの顔が曇った。
「分かりました…」
少し暗い表情で
「…僕の余命が半年とちょっとなんで少しでも永く生きたくて…」
ミコトがつまらなさそうに。
「よし、追い返せ」
「え、ちょっと待ってください!理由言いましたよ!」
困惑するヒサシさん。
「俺がそんなつまんない理由で大事な命売らねぇ。あんだろもっと大事な理由?」
「う…」
沈黙する空間。居づらい私。
「分かりました…」
重い口が開く
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