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「じゃあ、これで契約完了。お疲れ様」
上の階の人達にお金を借りてきたヒサシさんはその場で50万払った。
「本当に一年間生きられるです…か?」
「ええまぁ。簡単でしょ」
唖然とするヒサシさん。何度も見ても詐欺くさい。
「チカ、下まで送ってやって」
ミコトは再び新聞を眺め始めた。
「では、下までお送りしましょう」
「本当にありがとうございます」
いやいや私の手を握って言われても…。
「では、まぁお元気で」
「ハハッ、まだ病気なんですけどね」
冗談っぽく言うヒサシさん。
「なら、病院でも行って診てもらってはいかがですか?」
「いやぁ…まぁいっかじゃあそうするよ。じゃあ」
手を振りながら病院へと向かう。さてっと振り向くとそこにはうさんくさい『命の商人』の看板とその上にはこれまたうさんくさい『切矢銀行』の看板。さらに上は雀荘になっている。いわゆる廃ビルに近いこの建物はかなりコアな人がうごめく場所に場違いな私が働いている。ヒサシさんはとんでもないところでお金借りたなぁと思いつつ
「さてと仕事仕事」
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