6人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
しのぶの銃の唸る声がその場の静寂を破ると、何かが地面に無造作に倒れる音が辺りに響き渡った。
「…やったか?」
暫らく様子を見守ったしのぶは、他に人の気配がないのを確認すると、恐る恐る近づいていった。そして、銃を向けたまま相手の顔を覗き込んだ。
「…弾は額を貫通したか。即死だろう…」
ここでしのぶは漸く銃の構えを解いた。
「髪は俺たちと違って金色だな…」
年の頃はしのぶと同じか少し上に見える。しのぶは未だ煙を上げている右手の銃と、その顔を複雑な気持ちで見比べた…。
最初のコメントを投稿しよう!