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「――!」
ビクッ箸を持つ手が震えた。
「え?やっぱ?どこでかな。俺なんかしたのかな?」
なにかやらかしたのかという不安と、接点があったという期待が駆け巡る。
皆が注目する中
「やっぱり」と微かに唇が動くのを俺だけが見た。
「会ったことなんてないですよ」
初めてハッキリとした声を発し箸を置き、立ち上がる。
「ゴメンねアキ。今日はもう帰るよ、本当ゴメン」
戸惑うメンバーたち。謝られたアキもどうしていいか分からない様子だ。
それも見ずに荷物をまとめてスタスタと歩き出す。
誰も声が掛けられず見送るしかなかった。
しかし、
出口に行くには俺の真後ろを通らなければならない。
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