出逢い

13/13
前へ
/591ページ
次へ
反応したのは他の奴らだ。 当の彼女はポカンとしている。 そしてかなりの間をおいて 「は?」っと同じ反応をした。 俺の方は、さらに何テンポもズレて慌て出す。 「いや、あの、これは…!」 「からかってるんですか?」 「違っ!」 否定の返事だけは早い。 驚いていた瞳が一気に冷めていき、一つ大きく息を吐き出すと決意したように伏せられた。 「じゃあ答えます」 なにを… 回らない頭で考える前に、 「私は大っ嫌いです!!」 そう叫んで腕を振り払うと、ものすごい勢いで出口に向かった。 「「え?」」 皆も事態が飲み込めず、彼女が店のドアをピシャリと閉めたあたりでようやく声をあげた。 だけど俺はまだ間抜け面でポカンとしている。 どうやら俺はあの子に本気で 一目惚れしていたらしい。 そして告白してフラれた――。 この間約45分。 あまりにも短い恋に 「え?」 ようやく声が出た。  
/591ページ

最初のコメントを投稿しよう!

699383人が本棚に入れています
本棚に追加