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「うをぉぉ~!!
なんなんだ、なにしてんだ俺!てゆーかあの女なんだ!!!!」
その日の深夜、隆也は暗い照明のBARのカウンターで、頭をかかえてのたうちまわっていた。
「うるさいよ。てか、いい加減落ち着けよ~」
「落ち着けねぇんだよ!」
ドンッと拳でテーブルを叩くけど顔が赤くて迫力はない。
何度も思い出して
何度も恥ずかしくなって
何度も後悔している悪友に
横で松尾がため息をつく。
「あ~ぁお前のせいで盛り下がるし、アキちゃんたちは気まずそうに帰ってくし最悪だよ」
その発言に
「最悪は俺だよ…」
とため息で答える。
顔を手でおおいながらうなだれていると、その首に細い腕が巻き付いてきた。
「なにが最悪だって~?」
耳の近くで明るい声。
「莉乃!」
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