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「そっか…。じゃあまた何かあったら言いなさい」
そう言うと市ノ瀬は、早足に歩きながら、無造作にクシャと柚梨奈の頭を撫でて階段を降りて行った。
一瞬の暖かさ。
そして
少し、寂しげな表情。
―アリガトウゴザイマス―
柚梨奈は心の中で何度もお礼を言った。
優しい人たちに囲まれて
私は幸せだ。
心配や迷惑をかけた人たちの為にも素直になる時が、決着をつける時が来たのだと感じた。
「アキ、行こっか」
二人は並んで正門に向かった。
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