699399人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー、ちょっと早かったかもね。バスまだ来てないや」
正門に待ち構える男二人組の姿はなかった。
「なら私たちが、大通りに出て行った方が早いんじゃない?」
「そうだね。じゃあ松尾くんに1つ前で降りてってメールしとくよ」
パチッと率先してアキは携帯を開き、歩きながらメールを打ち始める。
「…仲、良いね」
「えっ!?」
少しの動揺が見られたので
今度は柚梨奈が攻撃を仕掛ける。いつもやられっぱなしで悔しかったのだ。
「昨日、あの後どうなったか聞いてないんだけど~?」
いたずらっ子の瞳で笑う。
「あの後って…。家に呼んだだけだけど?」
「本当に行ったんだ!」
気を使って松尾をけしかけたけれど、あの時アキが強引に引っ張って行ったのは、柚梨奈と隆也を二人にする為だと分かっていた。
しかしその後、本当に家に招いたのか「今の嘘!」と言って帰したのかは分からなかった。
アッサリ解散するのもアキならやりそうなことだ。
最初のコメントを投稿しよう!