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「ちょっ、大丈夫?」
隣の女の子に声をかけられ、彼女はハッとしたようで、すぐにしゃがみ傘を拾う
――が、何秒かそのままで立ち上がらない。
また声をかけられてスクッと立つ。
行動が妙だ。
でもかわいい。
そして小声で
「ねぇ、アキ私帰…」
「もーまだそんなこと言ってるの?ハイハイ座って座って」
活発そうなアキに引っ張られて強引に隣に座らされた。
アキはもちろん幹事として松尾の向かえの席。その隣は彼女。
そして、松尾の隣は…
――俺だ!
ラッキー♪と浮かれると下を向いていたフワフワの頭がこちらを見る。
「ひっ…!」
明らかに怯えた声。
え?俺?
「ねぇ、ちょっと席交換して」
アキと反対側の子に焦って話しかけるが
「席交換はまた後で!取り敢えず乾杯しよ~!」
との声がかかりあえなくそのまま会が始まった。
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