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突然涙を見せ、無言のまま顔を覆う柚梨奈に隆也は焦っていた。
――なんか俺、変なこと言ったか?!
確かに、今日の俺は自分でも引くくらいやりすぎだったかもしれない。
いつまでも現れない待ち人を2時間ジッと待っていた。
たぶん、すっぽかされたんだろうと認めてはいた。
だけど
柚梨奈を信じたかった。
そうすると、来れない何かが起きたのではないかと思った。
偶然アキと出逢え、彼女も柚梨奈が来ていないことにびっくりしていた。
夕方、別れる直前まで念を押していたようだ。
目の前で柚梨奈に電話をしてくれたが出なかった。
自分からの着信ならともかく、アキのものにも出ないなんて
よっぽどのことがあったのではないかと考えてしまった。
そしたら居ても立ってもいられずここまで来てしまっていた。
家は知らなかったが執念で探す気でいた。
自分でもアブナイ奴だと思う。
だけど
心配が募って
止められなかったんだ。
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