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新しい仕事
手のひらに収まるそれは、まるで地上の真珠のよう。
黄色い陽光を柔らかく反射して、揺らめく空気を映し出す。
これはいったい何?
あの人は私の手を、それごと包み込んで教えてくれた。
これは卵だよ、と。
中には小さな命があって、世界に羽ばたく準備をしているという。
なるほど、そう言われると、力強く確かな重さが手のひらに伝わってくる。
雨風に曝されるのは可哀相だから。
私が温めても良い?
あの人は、何も言わずにほほえんだ。
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