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「えっとぉ、その人は、昔から良く知ってる人なんだけどぉ……最近,とっても気になるの。きっと,これが好きってことなのよ。」
少し照れながら話す由美を可愛らしいと思いつつ、ふと気づく。
(昔から知ってる人って・・・え!もしかして僕?)
そんな都合良い訳がないと思いつつも、自分に違いないと思いたい気持ちが、どこかにあった。
精神的刺激。それも緩い方の。
鈍痛は、緩んだ気持ちを見逃さない。
(指令!もはや堪えられません!)
(まだだ、目標まであと僅かだ!)
(しかし、すでに危険水域に到達しつつあります! このままでは暴発してしまいます! )
(まだまだー!)
「……光くん? 光くん!なにさっきからブツブツ言ってんの?・・・顔色悪いよ、大丈夫?」
「ははは・・・頑張れ・・・決壊・・・ははは」
僕のお尻は、もはや限界だ。これ以上は保たない。学校まではあと少しなのに……。
僕が人間を止めようと絶望しかけたとき,背後から一台のバイクがやって来た。
「こーたろー!」
颯爽と現れたバイクは,光太郎の前でターンをすると、光太郎の抱えあげた。
光恵だった。
「由美ちゃん、悪い!光太郎借りるね。先生には上手く言っといて」
「はい、おば様♪」
意識を失いつつあった僕の瞳に,キラキラと瞳を輝かせる由美ちゃんが見えた。
光恵は、由美にウインクを決めると、猛ダッシュで自宅へと走り去って行った。
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