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”ジャーーー”
けたたましい水流の音が戦いの終わりを告げた。
僕は勝ったのだろうか。
いや、きっと負けた。
結局、ユルユル王子の名は返上できなかった。
医者は、大人になれば治ると言うけど、そんな先のことなんか解るもんか。
それに,一番ショックだったのは、由美ちゃんの好きな人は,僕のお母さんだってこと。
僕はこの夏にユルユルを克服したと思っていた。
でも,ユルユルは続いた。そして,続いて行くに違いない。
だからといって,それがどうした。また明日から頑張れば良いんだ。
失敗しても大丈夫だ。人生は長いんだ。そう思えばユルユルなんて。
僕の精神は日々強くなっているに違いないんだ。
だって,いつもユルユルと戦っているのだから。
窓を開けるとすがすがしい気持ちになれた。
――――おしまい――――
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