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高校2年の夏休み。
文系の進学クラスにいた私は、「夏季講習」をとっていました。
同じクラスの友達と一緒に講習に出るため、玄関で待ち合わせをしていました。
私が学校に着いたのは8:15頃。まだ友達も、部活の生徒もおらず、学校はひっそりとしていました。
ふと、私はトイレに行きたくなり、玄関に近いトイレに行きました。
洗面所で手を洗い、目の前の鏡を見ながら髪型を直していた時、誰かがトイレに近付いてくる気配がしました。
足音は聞こえず、気配だけです。
―何…?
その瞬間、鏡の端に黒髪の肩までのストレートのセーラー服きた女の子が少しトイレを覗いて
「違う…間違えた…」って去っていきました。
すぐに気配は無くなったんですが…
問題は、ウチの生徒じゃなかったんです。
ウチの学校もセーラー服なんですが、セーラーの襟は2本の白いラインにネクタイ。
でもその女の子は(セーラーの襟は2本の紺のラインに紺のスカーフ)近くにある高校の制服です。
夏休みといえ、自分の学校を間違えようのないのに…と不思議に思いながら、トイレから出て友達を待ち、一緒に講習を受けました。それからは何にもなく、無事に夏休みが終わった新学期。
ある話を聞きました。
ウチの学校の近くの交通量の多い交差点で、高校の2年の女子生徒が車に跳ねられ、亡くなったそうです。
亡くなったのは私がトイレで女の子を見た2日くらい前で、特徴や学校も女の子とピッタリと一致していました。
やっぱり…生きてたんじゃなかったんだと思うのと同時に…
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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