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「はぁ…
この頼りなさげなお兄さんが…
恵の言ってた…?」
歩は龍司を指差しながら恵に聞いた
それに対し、恵は自慢げに大きく頷いた
「へぇ~…へぇ…
…ま!頑張りたまへ!!龍兄」
歩が龍司の背中をバシバシ叩いて
そう言っていたのを見ていた
水澤(眼鏡)は…
目の奥で紅蓮の炎を燃えたぎらせていた
「アンタ達それより間に合うのか?
…学校…」
その狐火の言葉で皆…我に返った
そして…
「言って来ます!」
「…ちょっ…こら!!
置いてくなぁ~ッ!!」
歩が一番に動き出すと
恵も弾けたように駆け出した
残ったのは男二人、狐火は既に、自分の部屋へと向かっていった
「…む、調度良かった
僕はお前と話したい事がある…」
話しながら行こうか、と意味するかのように切り出すと
首の動きと目線だけで、進むよう促した
(…俺には話したい事なんて…
ねぇよぉぉお!!)
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