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『………タカシくん?』
返事なんて返ってくるはずがないと思っていると聞き慣れた声が聞こえた。
「アキラか?」
『うん』
声の主はクラスメートのアキラだった。
アキラは先月、大阪から引っ越してきた転校生で、タカシとは気が合ってすぐに仲良くなった。
二人は同じ団地に住んでいたが、アキラの住む棟は特殊で借金などの問題を抱えた人ばかりが住む棟で、中味も外見も寂れた感じの棟だった。
それが理由でタカシの母親はあまりアキラと付き合うな、とタカシに言っていた。
しかし、そんなことは子供の世界には関係ないことだ。
二人は変わらず仲の良いままだった。
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