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「でもガロン…その危機と僕はなんの関係があるの?」
アスラは一番の疑問をガロンに聞いた。
「村の危機で生まれたなら、僕は何で呼ばれたの?」
「私の目になる為だ…」
「目…?」
「私は目が見えんのだ…これも自然が与えた試練なのか…」
「えっ…?」
ガロンの言っていることが信じられなかったアスラはガロンの瞳を見てみた。確かにガロンの瞳は灰色に濁っていた。
「長い年月と環境の変化でおかしくなったのだろう…まぁ、風と匂いで様々なことを知ることができるが、今回の相手は数が多い…目の見えない私には不利な状況だ…。だから声の聞ける人間を探して必死に呼んでいたのだ…」
「でも目だなんて…僕…そんな大切なことできないよ…」
アスラは怖くなった。どれだけの数がいるかも分からない敵を相手にするガロンの目にならなくてはならないのだから当然だ。
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