46人が本棚に入れています
本棚に追加
梓[アズサ]
いつからだろう……
弟の勇葵とあまり話をしなくなった。
(俺が最近忙しいからかな?ずっと生徒会室に入り浸っているし……会長なんて器じゃなかったのに…先生やクラスの皆に推されていつの間にか会長に…。ほんと、人生何が起こるか分からないなぁ。)
書類の上に肩肘をつき、梓は二階にある生徒会室からグラウンドを眺めていた。
「あ!」
(ユーキだ!)
勇葵がグラウンドで楽しそうにサッカーをしていた。
「あいつ、、楽しそうにしてんなぁ」
いぃなぁ…
遊んでいることに対してではなく、勇葵の笑顔に対して…友人達が羨ましかった。
ユーキは俺の前に来るとへの字口になる。
(なんでだろ…俺、嫌われてるのかな?)
いつからだろう…ユーキがあんなに笑うようになったのは…
コンコンッ
「はい、どぅぞ」
勇葵の担任の山田先生だ。
「急にすまん。今、進路調査をやってるんだが大沢ぁ、お前の弟、まだ未記入なんだよ。」
「え?未記入??進路が?」
そういや、ユーキの奴、進路はどうするんだろ?
(なんだよ俺、あいつのことなんにもしらねぇじゃんか……)
最初のコメントを投稿しよう!