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カメラマンSBさんは、タイに惚れ、タイで事業を興した、大きな会社の社長だった。時折、カメラマン時代の出版社から依頼が来て、趣味でカメラを構えるらしい。
スタッフも普段は彼の会社の社員で、秘書達やドライバーさんだったのだ。
撮影に同行し、スタッフの人達とも仲良くなれた。女性スタッフのTさんや、もちろんJさんとも。
ただ、あまりに美しいJさんには、照れてしまい、なんとも近づきがたかったが。
チャンタナブリからバンコクへ戻り、後日、私はSBさんの事務所へ足を運んだ。
Tさん、Jさんと食事の約束をしていたのだ。その時、Tさんの彼氏の日本人SWさんも来てくれた。SWさんのお陰で深くみんなとコミュニケーションできた。
「ところでSWさん、Jさんって美人ですよね。いつも見とれてしまうんですよ。」と私。
「Jさん綺麗ですね。今、彼氏はいませんよ。もったいないですね。男の魅力を彼女はまだ知らないんです。」
なんと、それでは私が男の魅力をたっぷりと教えてあげよう!と、私の心は踊る。
「彼女ね。この国では珍しくないですが。レズなんです。あ、彼女はいるみたいですよ。」
…私は遠くを見つめるばかりだった。
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