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「あー。」
あれから二日後。
綱吉はあれから獄寺がタバコを吸う姿を直接見ることはなかった。
「獄寺君。大丈夫?」
綱吉はカバンの中からランボの好きな棒つきのぶどう味の飴を何本か出して獄寺に渡す。
「口が淋しくなったらこれ舐めて」
「気が利きますね。やっぱり・・。」
獄寺はさっき渡された飴の包みを取り、口に放り込む。
「どう?」
「・・まあ、まださっきよりはましっすね」
「そうなんだ」
綱吉は必死に頭を回転させて次の方法を考える。
「じゃあ、オレに何かできることある?」
「あのー十代目がオレにですか?」
獄寺はほおを赤らめながら綱吉に相づちを打つ。
「えっ。どうしたの?獄寺君」
「気にしないでください!」
獄寺のごまかしを綱吉はすぐ気付き彼の顔をのぞきこむ。
「うそつき。顔に出てるよ」
「えっ。」
獄寺は動揺して、手に持っていた残りの飴を落とす。
「やっぱりストレスが溜まってるの?」
「違います。オレにとっての十代目は・・・精神安定剤みたいなものです。だからそばにいてくれればストレスは溜まりません」
「なにそれ?」
「言葉どうりです」
獄寺は口の中の飴を食べおえるとまわりを見渡し、自分達以外の人がいないことを確認するとふわりと抱き締める。
「獄寺君。」
「大好きですよ。十代目」
耳元で囁かれた言葉は綱吉にとって心地よかった。
「うん。」
綱吉は獄寺によしかかるように甘える。
「綱吉・・」
獄寺はそっと綱吉に顔を近付けていき唇を奪う。
その口付けはいつものタバコの味ではなく飴の甘い味がした。
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